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「由伸さんが1.21でしたよね」オリックス山下舜平大にとって“数字”と“数値”と“結果”の違いとは?《21歳の新エース候補》

2024/03/07
昨季パ・リーグ新人王に輝いた山下舜平大
昨季、開幕投手として一軍初登板し、新人王も獲得した新星はチームの3連覇に貢献した。山本由伸の抜けた穴を埋めることを期待されるオリックスの剛腕は無限の可能性を秘めている。

「日本人で一番速いって、カッコイイっすよね」

 21歳らしい、いたずらっぽい笑みに少しほっとした。

 入団4年目の右腕・山下舜平大は、普段はストイックな球道者のイメージだ。誰もが認めるトレーニングの虫で、その成果は年々厚みを増す体や最速160kmの直球、9勝を挙げ新人王を獲得した昨年の成績が証明している。私生活も野球第一で、外食はせず、先輩に誘われてもあっさり断る。

「外食はお金がかかりますし、いちいち出歩くのは疲れるので。夜は部屋にいてゆっくりしたい。睡眠もしっかりとりたいし、寮にいれば栄養も摂れますから」

体を大きくするのが目的じゃなく、ボールを強くしたい。

「人生何周目?」と聞きたくなることが度々ある。今年のオフは3食に加え1日2回の補食も摂り、それを計画的なトレーニングで筋肉に変え、体重は107kgに。山下と同じ身長190cmで104kgの杉本裕太郎が、挨拶がわりに「おう、バケモン! 負けんからな!」と声をかけるほどだ。

「“大きくする”と言うのはちょっと語弊があって、“強くする”です。体をでかくすることが目的じゃなく、ボールを強くしたいんです。MAXはどんどん更新したいし、平均球速も上げたい」

 今回の取材テーマが「目標設定」だと伝えると「目標、大事ですよね」と頷いた。

「トレーニングでも、球速を何kmにしたいから逆算して何をしていくかというのがある。そうなりたいからとか、そういう球を投げたいからやる、というのが一番、自分の中では身になるのかなと思います」

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photograph by Hideki Sugiyama

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