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自分との真剣勝負だった平昌五輪…宇野昌磨の2017-18シーズンはなぜ「濃くなかった」のか?《2つの銀メダルの意味》

2017.12.24 Japan Championships
「気づいたらシーズンが終わっていました。長く感じなかったですし、昨シーズンほど濃くないシーズンだったなあと。今季は羽生(結弦)選手と一緒ではない試合のほうが多くて、改めて羽生選手の大きさを知りました」(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2017-2018宇野昌磨 「濃くなかった2つの銀メダル」)


 3月に行われたミラノでの世界選手権で銀メダルを獲得した翌日、宇野昌磨はそう話した。昨季、羽生と同じ試合に出場したのは、GPファイナル、四大陸選手権、世界選手権、国別対抗戦と4戦あり、モチベーションを最高に高めて戦った。しかし今季は、羽生と同じ試合は平昌オリンピックの1戦のみ。オリンピックで銀メダルを獲る経験をしながらも、羽生がいなかっただけで「昨季よりも濃くない」と感じたという。

 宇野は自身の試合観をこう語る。

「僕にとっては、やはり戦う相手はいつも自分自身です。でも、その大会に上手い選手がいればいるほど、自然とやる気が出る。羽生選手は、僕にとって一番モチベーションが上がる存在ですし、もっと多くの試合に一緒に出たいなっていう気持ちです」

 自分に勝ったかどうかは、練習の成果を試合で発揮できたかで決まるのだ。

「僕にとって嬉しいのは、自分の練習してきたことを出せたとき。逆に悔しいのは、気持ちで負けてしまって、自分の練習を無駄にするような演技をしたときですね」

 では宇野が「濃くなかった」という今季。どんな自身との戦いがあったのか、そして「濃くない」という言葉の真意とは―。

自分に勝てなくても、練習を積んできたプロセスには満足。

 宇野の今季は、初戦のロンバルディア杯で319.84点と自己ベストを更新してスタートした。しかしまだ練習をしっかり積んだ時期ではなかったため、喜ぶことが出来ず、しきりに成長を否定していた。

2018.02.17 PyeongChang Winter Olympics ©Tsutomu Kishimoto/JMPA
2018.02.17 PyeongChang Winter Olympics ©Tsutomu Kishimoto/JMPA

「練習が良かったわけではないので。本当に運が良く、たまたま上手くいっただけです」

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photograph by Asami Enomoto

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