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「何となく自分と似ている」「バックステップがうまい」遠藤保仁が語るMFシャビ・エルナンデス~黄金期バルサを司った“3つの能力”とは?~
「替えが利かない」と評価されること。選手にとって、これほどの名誉はない。
シャビはある意味、不思議な選手である。
単独突破で局面を打開するわけではない。強烈なミドルシュートでゴールをこじ開けるわけでもない。かといって、派手な足技で観衆を沸かせるタイプでもない。
中盤でパスを受け、丁寧につなぎ、攻撃の起点としてリズムを作る。ただひたすらに、“受けて配る”を繰り返す。それでも、バルセロナやスペイン代表が見せる華麗なパスワークの源流に彼がいることは、もはや誰の目にも明らかである。
スペインは紛れもなく、EURO2012の優勝候補最右翼だ。しかしその中核を担うはずだった選手の故障離脱が相次いだ今、唯一の拠りどころは、タレント豊富なミッドフィールドにある。とりわけ最大のストロングポイントである中盤の司令塔、シャビを無視してスペインの是非を語ることはできない。
では、彼が世界最高の司令塔として評価されるのはなぜか。中盤の攻防における決して揺らぐことのないスペインの優位性について、それを語る上で最もふさわしい人物に言葉を求めた。しばしばそのプレースタイルがシャビに例えられる「替えが利かない」日本の司令塔、遠藤保仁である。
遠藤が初めてシャビと対峙したのは、今から13年前の’99年4月、ナイジェリアで行なわれたワールドユース(現U─20W杯)の決勝だった。
「当時はシャビのことを知っていたわけではないので、特別な印象はなかったですね。バルサで試合に出ている選手がいるというのは聞いていましたけど、『こいつを抑えれば』という感じではなかった気がします。スペインは全体的に技術がしっかりしていましたし、ボールもなかなか奪えなかった。だからまずは、チームとして『うまいなあ』と」
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