#920
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「井上君はボクシングのすべてを身体で覚えている」具志堅用高、薬師寺保栄らが選ぶ“最強ボクサー”《チャンピオン連続直撃》

2023/12/28
Number920号に掲載された大型企画「チャンピオンが選ぶ最強ボクサー」。井上尚弥や村田諒太を含む日本人チャンピオンが、「歴代最強」と「現役最強」を独自の基準で選んだ。

具志堅用高「動きがないとチャンネル回される」

歴代:輪島功一
     &
現役:井上尚弥

◆ ◆ ◆

 自分が見てからの時代ですけど、やっぱり輪島さんはすごいボクサーだと思ったね。これぞプロボクサーという感じがしたよね。輪島さんは試合が面白いの。飽きさせない、目が離せない。ただ打ち合うとかじゃない。自分で組み立てて、自分から仕掛けていってね。初めて生で見たプロの試合が輪島さん。かえる跳びだよ。盛り上がってたなあ。プロなんだから、勝てばいいってもんじゃないのよ。動きがないとチャンネル回されるんだから。しかも打たれ強いでしょ。首も太いし。北海道で鍛えたあの身体、すごいと思ったなあ。普通なら倒されてますよ。

  井上くんのボクシングはすごいと思いますよ。左も右も使えるし、スピードもあるし、ここぞというときに行けるし、目もいいでしょ。ボクシングのすべてを身体で覚えているという感じがするね。これからどんなボクシングをするのか楽しみだね。(構成・渋谷淳)

1974年、ミゲル・デ・オリベイラ戦で2度目の防衛を果たした輪島 ©KYODO
1974年、ミゲル・デ・オリベイラ戦で2度目の防衛を果たした輪島 ©KYODO

薬師寺保栄「辰𠮷に勝てたのはあの経験のおかげかも」

歴代:ヒルベルト・ローマン
         &
現役:ローマン・ゴンサレス

◆ ◆ ◆

 19歳の時、ジムの先輩が対戦するヒルベルト・ローマンとスパーリングしました。手が異様に長く、左手を下げたところからフリッカー・ジャブを打つ。僕は触ることすらできませんでした。「勝てるわけがない」と思ったのは後にも先にもローマンだけでした。

 高校の頃、トーマス・ハーンズのフリッカー・ジャブに憧れて練習していたら、監督に「左のガードは上げておけ!」とすごく怒られた。未練はありましたが、ローマンとスパーリングした時に「真似できない」と確信し、ガードを上げてジャブを打つようになった。

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