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「長谷川(穂積)さんは特別な存在」23歳・井上尚弥が伝授された“モチベーション術”とは?<独占インタビュー/2017年>

2023/12/24
23歳の井上尚弥
読者が選んだ「現役最強ボクサー」1位はこの男。弱冠23歳にしてチャンピオン街道を邁進する怪物が、ローマン・ゴンサレスとの世紀の対決の実現や、海外進出について率直な思いを語った。(初出:Number920号井上尚弥 [直撃インタビュー]世界のトップになるために。)

―昨年末に河野公平選手に6回TKO勝ち。2016年は不完全燃焼の試合が続いていたこともあり、河野戦後の「満足」という言葉が印象的でした。

「いい気分で年は越せました。すっきりした感じはありますね。自分のいいところは見せられたかなと思います」

―圧勝の内容でしたが、もっと早く終わらせられるようにも見えました。

「そうですね。実際に3ラウンドの時点で河野さんは(自分のパンチが)効いていたし、口も開いていたし、疲れているかなと思いました。ただし、あそこで仕留めにいって仮に粘られてしまうと、もつれていく可能性もあると思ったんです。2人とも消耗するような展開ですね。そこで4、5ラウンドは河野さんをちょっと出させる(攻めさせる)ようにしたんです。河野さんは前に出るしかない状況でもありましたから」

―そうやって誘い出して、6回に決定的なカウンターの左フックを決めました。芸術的ともいえるタイミングでしたね。

「上手くはまったと思います」

―あれだけの試合をしておきながら、大橋秀行会長は、けがの影響(9月のペッチバンボーン・ゴーキャットジム戦前から腰を、試合では拳を痛める)もあって「まだ100%じゃない」と話していました。

「100%出し切れたかと言われると、出し切ってないですよね。拳も腰もまったく問題はなかったんですけど、恐怖心というのが少しあったと思います。だから庇いながらで、思い切った試合はできてなかった。ただ、今回はまったくけがの影響がなかったので、次からは庇うという気持ちはなくなると思っています」

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photograph by Masaru Tatsuki

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