4年に一度の大舞台に全身全霊をかけるのは日本代表ばかりではない。世界中の猛者が放つ異常な熱は、開幕戦から好勝負を次々に生んでいる。各プールから選りすぐった一戦を迫力の写真とともに振り返る。
パリは朝から「緑」の大群が押し寄せていた。アイルランド・サポーターたちが陽気に昼からビールを飲み交わしていた。そしてその夜、プールBの大一番はノックアウトステージの試合と見まがうほどの熱戦となった。
紫煙の立ちあがるスタンド、開始早々からアイルランドに胸を打たれた。ペース配分はない。アタックに、タックルに、とにかく全力、全力、また全力。これは最後まで持たないのではないか――と心配になってしまうほど全開だった。
アイルランドのアタックは「幾何」を連想させた。ジグザグにボールが動き、相手の防御網が戸惑ったところに、大きな矢印が飛び出す。一方の南アフリカは「物理」。重さと速度で真っ直ぐに当たり、相手をぶっ飛ばす。
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