高額年俸を稼ぐスター選手がいるわけではない。むしろ、苦節を乗り越えてメジャーにたどり着いた苦労人揃いのメキシコが、5大会目で初の準決勝進出を果たした。
象徴的な存在の一人が、元オリックスの3番ジョーイ・メネセス(ナショナルズ)だった。1次ラウンドの米国戦では、2発5打点と活躍し、大国撃破の原動力となった。「言葉では説明できない。満員の球場でアドレナリンが出て、美しい衝撃だった。ただ、ホームランを楽しむだけだったよ」
大舞台で脚光を浴びたとはいえ、これまでは紆余曲折の野球人生だった。'11年のブレーブス入り後は、着実に力を蓄え、ステップを踏んだ。ところが、フィリーズ移籍後の'18年には、3Aで23本塁打を放ちながら、メジャーから声はかからなかった。'19年には、オリックス入りしたものの、6月下旬、禁止薬物の使用が判明し、1年間の出場停止処分を受け、契約を解除された。それでも、母国のウインターリーグなどでプレーを続けた。
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