エース斎藤、犠打の達人2番小栁、4番の主将後藤、ここ一番に強い5番船橋。'06年夏決勝、早実vs駒大苫小牧。あの2日間の死闘は、'22年を生きる彼らに何を残しているのか。当時の映像を観ながら、笑顔とともに語り合った。
2006年、夏の甲子園。
早稲田実業と駒大苫小牧の決勝前夜。武庫川畔にある水明荘では、宿泊する早実の選手たちにステーキとトンカツが振る舞われた。「敵(テキ)に勝つ(カツ)」――24イニングスを戦い抜いて勝利をつかんだ早実のメンバー、斎藤佑樹、小栁竜巳、後藤貴司、船橋悠の4人が16年経った今、初めてあの2試合の映像をじっくりと観た。
船橋 いやあ、じっくり観るの初めてだ。
小栁 テキとカツ、食ったね。
後藤 結局、2夜連続だったんだよ。
小栁 うん、次の夜も食べた気がする。またかよとか、ブーブー言いながら(笑)。
船橋 あんまり晴れてないね。曇ってる。
斎藤 そうそう、だから助かった。
小栁 そういえば斎藤のユニフォームだけやけに白い説ってあったなぁ。
斎藤 なに、それ(笑)。
小栁 ほら、ユニフォームってみんな手洗いだったじゃん。斎ちゃんのだけ、なぜかいっつも綺麗なんだよな。それが斎藤佑樹の爽やかさをより強調してた説(笑)。
〈1回表 駒苫1番三谷 右安〉
後藤 これね、いきなり苫小牧は強いって感じのヒットだったね。
小栁 試合が始まったときはやたらとアウェイ感あったよ。苫小牧の応援、凄かった。
船橋 でも、早実の応援が断トツで嫌だったっていう声もよく聞いたよなぁ。投げてて、誰が一番嫌だった?
斎藤 (3番の)中沢(竜也)。
小栁 本間(篤史)ちゃんじゃないんだ。
船橋 この本間の右中間への当たり、俺、入ると思ったね。
小栁 けっこうヤバかったよ。でもこのとき、風がめちゃくちゃ吹いてたんだよ。
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photograph by Kotori Kawashima