伏兵の先行馬がまさかの波乱を起こすのか、語り継がれる格言どおりの結末になるのか。美浦と栗東の番記者が注目の一頭を挙げる。
ダービーも皐月賞の上位4頭で決まり。そんな声に異を唱えたい。皐月賞は12年ぶりに二桁馬番が3着までを独占。歴史上まれに見る「外枠」「差し馬」が有利な特殊馬場だった。1枠の圧倒的不利をはねのけ、逃げて5着に奮闘したアスクビクターモアの底力を侮ることなかれ。
初めて同馬の姿を見たのはデビュー直前、昨年6月の美浦トレセン。管理する田村康仁調教師のひと言がきっかけだった。「凄い新馬がいる。オーラが違う」。すぐに双眼鏡越しに探した。同世代が相手では勝負にならない、と練習パートナーはいつも年長馬。GI高松宮記念で3着に好走した僚馬キルロードとの併せ馬でも互角以上の手応えで調教コースを駆け抜ける2歳馬に目を奪われた。
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