オープン戦初登板で159kmをマークするなど、例年以上に順調な仕上がりを見せる大谷への周囲の期待は高まるばかりだ。ピッチングコーチと2人の相棒が今季の成長を証言する。
この春、投手・大谷翔平の評判がすこぶるいい。何がいいのか。マット・ワイズ投手コーチは言った。
「絶好調だね。私の立場にとっては、ありがたい、本当にありがたいことだ。彼はいつもハードにトレーニングをする選手だが、このオフはどれだけのトレーニングを積んできたのだろうか。そんな想像をしてしまうくらい、彼の状態はいい。昨年のこの時期よりもずっといい。トレーニングがうまく進んだことで身体が強くなり、バランスも素晴らしい。昨年より一歩進んだ身体になっている。今季を迎えるにあたり、これほど頼もしいことはない」
ベタ褒めは、ワイズ投手コーチだけではなかった。バッテリーを組む捕手陣も口を揃え、昨季以上の状態を感じ取っていた。ブルペンで球を受けた38歳のベテラン捕手、カート・スズキは目を輝かせていた。
「軽く投げても球に鋭さが増していると感じる。昨年のキャンプは、段階を踏みながら、状態を上げていく感じだったが、今年は違う次元にいる。昨年の比ではない。先を行っている。本当に気持ち良さそうに投げているよ。今季は昨年よりもっといい投球をするだろう。特にいいのが直球だ。彼の直球はまっすぐではないんだ。少しカット気味に動く。コースによっていろんな動き方をするんだ。受けていてこれほどに楽しい投手はいないよ」
オープン戦初登板となった3月21日のロイヤルズ戦。大谷は早くも99マイル(約159km)の直球を投げ込んだ。バッテリーを組んだマックス・スタッシは、その驚きをすぐさまジョー・マドン監督に報告した。マドン監督が説明する。
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photograph by Nanae Suzuki/Yukihito Taguchi