「2年連続MVPへの不安要素は?」
ディラン・ヘルナンデス(『LAタイムズ』コラムニスト)……エンゼルス番記者を経て、MLB全般、ボクシングなどもカバーするコラムニストに。日本人を母に持ち、昨夏の東京五輪も来日取材した。
キャンプイン後、会見に臨んだ大谷の言葉には、確かな自信があふれていた。2021年の成績が自信になっただけでなく、彼にはまだまだ先に行けるという気持ちがあるのだろう。健康な状態でフルシーズンを戦えれば、普通に50本塁打はクリアするだろう。
昨シーズンにしても、もし同僚のマイク・トラウトやアンソニー・レンドンが故障で離脱せず、大谷の後の打順で打っていれば、50本塁打に到達した可能性はかなり高かった。昨年9月以降、ポストシーズンを争うチームが相手だと勝負を避けられ、数多くの敬遠四球で歩かされたが、トラウトらが復帰すれば、必然的に大谷と勝負せざるを得ない。投手としては、勝利数を予想するのは難しいが、防御率3点台以下は狙えるだろう。となると、2年連続でMVPに選出される可能性も高い。
今の大谷を見ていると、何を成し遂げても不思議ではないように思えてしまう。メジャー入りした直後は、少し細めで青年のような体つきだったが、一昨年、昨年と徐々に大きくなり、今はメジャーリーガーとしてパーフェクトな体格になった。
野球選手に限らず、才能のあるアスリートは自分の限界を定めないだけでなく、限界に気付かないケースもある。たとえば、エンゼルスの球団側が人間として一般的なリミットを定めたとしても、おそらく大谷は誰も考えないような、ずっと先を見ているに違いない。何をやっても不思議ではない、と思える最大の理由は、大谷の姿勢、視点が「常識では計れない」からだ。
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