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[加藤条治が語る二枚看板]小平奈緒/高木美帆「“トンボ”の輝きと究極の推進力と」

2022/02/04
左から高木美帆、小平奈緒
10年以上も女子スケート界をけん引してきた二人。充実期に迎える大舞台は、金メダル候補本命として挑む集大成の戦いになる。オールラウンダーの美帆。スペシャリストの奈緒。その至高の技術を、五輪4大会出場の求道者が語った。

 北京五輪のスピードスケートで計5種目に出場する世界屈指のオールラウンダー・高木美帆と、500m&1000mの短距離2冠に挑むスペシャリスト・小平奈緒。ともに2010年バンクーバー大会で五輪初出場を果たし、前回の'18年平昌五輪では高木が金銀銅メダル、小平は金銀メダルを獲得するという快挙を成し遂げた二枚看板だ。現在27歳の高木は、北京五輪の日本選手団主将、そして、35歳の小平は前回の平昌五輪で主将の大役を務め上げたエリートアスリートでもある。

 その二人を若手時代から知る、バンクーバー五輪男子500m銅メダリストで同種目の元世界記録保持者である加藤条治さんに、それぞれの技術面の強みを語ってもらった。まず、中学3年生でバンクーバー五輪に初出場した高木のすごさについて。

「小学校の頃から速いという噂を聞いていました」

 加藤さんはこう切り出し、さらに続けた。

「僕も、すごく上手い子が出てきたなと思いました。技術的にも中学生にしては完成度が高かった。でも、それよりスケートに取り組む姿勢が他の子とは違いました。トレーニングメニューを出されても、それを自主的に全部こなす能力がありました」

 カーブワークの革命児とよばれた加藤さんから見て、技術面ではどこが優れているのだろうか。

「基本にものすごく忠実な選手で、ほぼ基本でできていると言っても過言ではありません。そこに立派なフィジカルが乗ってきたことによって、一気にスピードにつながっていったのではないでしょうか」

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photograph by Getty Images

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