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ポール・ポグバ「最強フランスの時代を築きたい」~優勝候補キーマンインタビュー(2)~

2021/06/04
ロシアW杯からの連覇を目指すレ・ブルーの精神的支柱。28歳の新世代リーダーは、王者となってもハングリーであり続けようと説く。ドイツ、ポルトガルと同居する死のグループを制し、史上最強の称号を手にできるか。

 2018年W杯決勝直前、ポール・ポグバはロッカールームで伝説的なスピーチをした。選手たちがテーブルを囲んで手を置く中、背番号6は低い声でゆっくりと心の奥深くに語りかけた。

「あと90分でオレたちは歴史を作る。あと1試合だ。あと1試合。これはすべてを変える試合だ。(EURO2016の)決勝でオレたちは負けた。1日たりとも忘れていない。今晩オレたちはフランスの全国民の記憶に残る存在になる。子供たち、孫たち、ひ孫にまで語り継がれる存在になる。戦士として、リーダーとしてピッチに出よう。さあ行こう!」

 大会前、ポグバは傲慢な態度とマンチェスター・ユナイテッドでの期待外れのプレーによってフランス国民から否定的な目で見られていた。『フランス・フットボール』誌のアンケートでは、73%もの人が「ポグバを先発から外すべき」と回答したほどだ。

 だが、ポグバは選手としてだけでなく、人間的にも傑出した存在であることをロシアW杯で証明する。

 決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦前には「今日も勝って、ホテルのあのパスタを食い続けるぞ。メッシなんて関係ねえ」とスピーチして仲間を鼓舞した。そして決勝前には冒頭のように語りかけて、W杯優勝を勝ち取った。

「自分が何者かを示さなければならない大会だった」

 ポグバはこう振り返る。

「自分が何者かを示さなければならない大会だった。期待の若手のひとりからリーダーになれるかの分岐点だった。チームのために自己犠牲の精神を忘れず、すべてを国に捧げた」

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photograph by Getty Images

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