#1021

記事を
ブックマークする

<現役最終戦に秘めた思い(11)>上村愛子「母の言葉が背中を押してくれた」

2021/03/03
スキーヤーとして生まれ育った白馬で有終の美を飾った上村を、仲間たちは胴上げで祝福した
挑むこと5度、ついにメダルに手は届かず――。儚くも五輪の夢が潰えた“愛ちゃん”は2カ月後、特別な場所・白馬で、最後の滑走を迎えていた。

2014.3.27
全日本フリースタイルスキー選手権
モーグル
成績
優勝(23.81点)

   ◇

 雲ひとつない透き通るような空の下で上村愛子はブーツを履いた。ずっと共に闘ってきた同志のような存在だ。トッププレーヤーは契約メーカーの新作が出るたびに用具を新しくすることがほとんどだが、上村はビンディングもスキー板も「この子たち」と呼んで使い続けてきた。

 初めて出た長野から、ソルトレークシティ、トリノ、バンクーバー、そしてソチ、5つのオリンピックと無数の大会、この20年余りの多くをともにしてきた。

 それも今日で最後だ。

 上村は前日、このレースを最後に引退すると表明した。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by KYODO

0

0

0

前記事