ロックダウンで氷から離れた3カ月の時を経て、文武両道の21歳はさらなる成長を遂げていた。その現在地と思いを電話インタビューで語った。
2019-'20シーズン、イェール大学での学業と競技生活を両立させていたネイサン・チェンは、新型コロナウイルスのパンデミックが始まってからどのように過ごしていたのだろう。
「( '20年3月の)世界選手権のキャンセルの知らせの後、練習拠点のカリフォルニアに戻った時は、すでにもうロックダウンが始まっていて、リンクも閉まっていました」
ロックダウンが解除されてリンクが再開したのは6月の末だった。氷を離れた3カ月間は、彼にとってどんな時間だったのか。
「最初の3、4週間は、イェール大学のオンライン授業を受けて学期を終了しました。その後、ラフ(ラファエル・アルトゥニアンコーチ)とオフアイス・トレーニングを開始しました。また以前から指導を受けていた、米国五輪委員会所属のトレーナーと、コンディショニングトレーニングもしていました。ジムは閉まっていたので、全て屋外でした」
スケーターにとって全く滑らないという体験は難しいものだが、チェンは決してネガティブには捉えなかった。
「氷の上に戻った時は、全てが弱くなっていると感じました。でも普段も春から夏にかけては休みを取ったり、アイスショーに出場したりなど、あまり詰めてトレーニングはしていなかった。だから思ったほどの違和感はなかったんです」
イェール大学の休学を決心した理由
夏の間は、サンディエゴ大学などのオンラインクラスも取ってみた。そして今シーズンはイェール大学を休学し、将来取りたいクラスの教科書を買い込んでスケートの合間に自習しているという。
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