W杯での数々の印象的なトライを引っ提げ、念願の海外移籍を叶えた日本のエース。新天地でも進化を続ける27歳が語った、2023年に向けて描く未来予想図とは。
2019年の秋。ワールドカップの秋。
松島幸太朗はスピードと力強さを示し、世界でもトップクラスのウイングであることを証明した。W杯であげたトライは5つ。
開幕戦、ロシア戦での3トライ。ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフは彼を「フェラーリ」と呼んだ。
サモア戦、ラストワンプレーでボーナスポイントを獲得する貴重なトライ。鋭いカットインが歓喜を呼んだ。
そしてスコットランドとの決戦。先制トライを奪われたが、福岡堅樹からのオフロードを受けた松島は、反撃の狼煙となるトライを奪う。1年が経ち、熱狂の日々を松島はこう振り返る。
「'15年のイングランド大会よりも、やり切ったという感覚はありますね。大きかったのは、連戦が続いていくなかでも安定したパフォーマンスを発揮できたことです。W杯期間中に自分にとって必要なトレーニングを見極められていたことが、身体のキレ、メンタル的にもいい状態で最初から最後までプレー出来た理由だったと思います」
中でも最も印象に残っているのはどの試合か、尋ねてみた。
「それは難しい質問ですね。個人的には5試合すべて、印象に残っているので。ロシア戦ではハットトリックが出来たし、次はアイルランドに勝った。サモア戦でもボーナスポイントがかかった場面でいい仕事が出来て、大事なスコットランド戦はチームとして力を発揮できましたからね。準々決勝は負けましたが、自分が生まれた南アフリカとの対戦ということで、すべての印象が濃いんです。でも、やっぱりスコットランド戦かな。勝ってベスト8、日本の実力を示せましたから」
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