#1004
巻頭特集

記事を
ブックマークする

<時代が生んだ最強コンテンツ> 鈴木啓太/ロブソン・ポンテ「J版銀河系の絶頂」 2006 浦和レッズ

2020/06/09
日本代表をベンチに座らせる分厚い選手層と、1試合平均でも4万5000人超が集ったサポーター。まさに隆盛を極めていた浦和レッズの1年を攻守におけるふたりの中心人物が振り返った。(Number1004号掲載)

選手投票 第3位
読者投票 第4位

 机の上に置かれた2006年シーズンの戦績表に手を伸ばし、しばらく考え込んだ鈴木啓太が挙げたのは、7節のアビスパ福岡戦(〇1-0)、11節のジェフ千葉戦(●0-2)、23節のサンフレッチェ広島戦(〇2-1)、30節の横浜F・マリノス戦(〇1-0)だった。

 リーグ優勝を決める最終節以外でポイントになったゲームはどれですか――。

 その問いかけに対する答えである。

 シーズン開幕から8戦無敗でスタートダッシュに成功し、25節で5度目の首位に立つと、それ以降は首位の座を譲ることなく最終節を迎え、2位のガンバ大阪を叩いて力強く初のリーグタイトルを掴み取った。

 だから、この年の浦和レッズに「歴代最強チーム」という印象を抱くファンが多いのも、当然のことだろう。

 ところが、鈴木が挙げたラインナップは意外なものだった。この4試合は、いずれも浦和が苦しんだ試合なのである。

「選手層や選手の実力、積み重ねてきたものを考えると、優勝しなければいけないシーズンだったと思います。ただ、サッカーの質で言えば、いつも素晴らしかったわけではない。そういう意味では、内容よりも結果にこだわるチームでした。あと、多くの方が最強だと思ってくれているのなら、もうひとつ要因があると思っていて……」

全てはオフトかから始まった。

 ギド・ブッフバルト監督が就任した'04年に初のステージ優勝を成し遂げ、'05年度に天皇杯を制した浦和にとって、現体制3年目の'06年は集大成と言えるシーズンだった。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by J.LEAGUE

0

0

0

前記事 次記事