4月1日、SNSで、アマチュアレスリング界の大物がMMA(総合格闘技)転向を表明した。2017年のU23世界選手権・フリースタイル61kg級で優勝した中村倫也だ。
「UFCで王者になることは昔からの変わらぬ夢。大学3年の時に亡くなった父親の遺影に『やっと転向します』と手を合わせました」
中村の父・晃三さんは“400戦無敗の男”ヒクソン・グレイシーを初めて招聘した『バーリトゥード・ジャパンオープン(VTJ)'94』開催を陰で支え、日本のMMA競技化の礎となったジム『PUREBRED大宮』のオーナーとして知られる人物だ。ヒクソンは翌年開催されたVTJ'95にも出場しているが、その1カ月前、中村は産声をあげた。
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photograph by Sachiko Hotaka