#1002
巻頭特集

記事を
ブックマークする

<プレイボールを待ちながら> 秋山翔吾「職業・野球人として納得したい」

2020/05/08
 今年からシンシナティ・レッズの一員として夢の舞台に立つはずだった秋山翔吾は今、ロサンゼルスで練習を続けている。移動は家と練習場の往復と、何日かに一度、買い物に行くスーパーマーケットのみ。それでも「いつなんどき自分が感染するかもしれないという怖さはあります」とアメリカでの日々を語る。(Number1002号掲載)

 今、僕ができるのはキャッチボールとティーバッティングのみです。フリー打撃や、ノックを受けるなどの「野球に必要な練習」は、まだできないのが現状です。そんな限られた状況の中で心がけているのは、コンディショニングですね。オフの期間には重いウエイトを持つトレーニングをする時期もあるのですが、今はそういった追い込むトレーニングではなく、調整のためのトレーニングを続けています。現時点ではいつシーズンが開幕するかわからないので、開幕から逆算してメニューを考えてきた、これまでの計画が通用しません。トレーナーからも「今はまだ体にキレを出す時期ではない」と言われているので、その指示通りにトレーニングをしています。トレーナーに任せて、いろいろと考えてメニューを作ってもらっている状況です。

 そう考えると、野球を始めてから今日まで、今ほど「自分を律しなくてもいい時期」は経験がないとも言えます。現時点で開幕が1カ月以上遅れていることを考えれば、1シーズンの試合数は減ると予想できます。アメリカでの全160数試合はまだ経験したことがありませんが、日本のトータルの試合数で必要な体力を考えると、「そこまで頑張って練習をしなくても、100試合くらいなら何とか乗り切れるんじゃないか」と、どこかで油断してしまいそうになる。そんな状況で、「どうやって自分を律していくか」ということに気を付けています。なんとか自分を律することができているのは、メジャー1年目、やるからには結果を出したいと思っているからです。このような状況の中でも、いかに目的を失わずにやっていけるかという自分との戦いですね。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
キャンペーン終了まで時間
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Yukihito Taguchi
前記事 次記事