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内田 萩原さんはサザンオールスターズがデビューした1978年の数年前から桑田さんと親交があり、学生時代はともにバンドを組んでいらっしゃったこともありました。その頃から桑田さんを知る一人として、東京オリンピックが開催される2020年に書き下ろされた民放共同プロジェクト“一緒にやろう”の応援ソング『SMILE~晴れ渡る空のように~』を聴いてどんな感想を抱きましたか?
萩原 デビュー前に桑田佳祐が持つ才能に触れた僕からすれば、その後の彼とサザンの活躍は当然のこととしても、今回のような国民的イベントを代表するというのはすごく“衝撃的”ですね。かつて紅白歌合戦で三波春夫に扮装して『チャコの海岸物語』を歌っていた彼が今年、三波さんが『東京五輪音頭』で担ったように、2020年の象徴となる曲を歌う。このストーリーを考えると感慨深いですね。あんなマニアックな男が、こんな大役を託されてというような……。
内田 桑田さんは近年、広く開かれたポップスを書かれています。その一方で、『ヨシ子さん』などの楽曲に見られるように、時々わざとやらかすというか、爆発するところがあって。そこはご自身の中でのバランスなのかもしれない。
萩原 東京五輪の招致が決まった後に発表された『東京VICTORY』には、そのやらかしが多分に含まれていたと思うんです。サザンがデビューした当時、衝撃を与えた方法論――日本語を、どうやってビートに乗せてグルーヴさせるかという点で、桑田が音楽シーンに提供した手法は画期的だった。その要素が、この曲には結構な割合で入っていて、その上でポップに仕上げている。でも『SMILE~晴れ渡る空のように~』は、やらかしの部分が非常に少ないですね。彼が作り出す歌心や旋律の良さがストレートに表現されている。歌詞もあえてひねらずに王道で、“やるときは、やるな!”と思いました。
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