#991
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<ランビエルが語る愛弟子> 島田高志郎「美しい花を咲かせよう」

元世界王者のステファン・ランビエルに師事して3シーズン目の今季、島田はシニアデビューを果たした。師は愛弟子を、そして彼のスケートをどう見ているのか。二人三脚で世界を目指す両者から、強い絆が伝わってくる。(Number991号掲載)

 NHK杯を控え、拠点のスイス・シャンペリーから札幌へと到着した島田高志郎とステファン・ランビエルコーチ。粉雪が舞い、氷点下の気温に「到着したとたんに、ちょっと風邪ひいてしまいました」と苦笑いする島田を、ランビエルは優しさをたたえた瞳で見つめながらこう切り出した。

「僕と高志郎にとって3年目のシーズン。最近の彼はしっかりと自分の意見が言えるようになって、少年から成熟した青年になってきました。彼は物事を深く考えるタイプですし、自分のスタイルを見つける記念すべきシーズンになる予感がします」

 島田がスイスに渡ったのは15歳の時。ランビエルは表現者として世界最高の評価を得たスケーターで、島田には憧れの存在だった。島田は当時をこう振り返る。

「ステファンからは『僕もコーチとしてまだ若い。一緒に成長しよう』と言われました。最初の頃は、何を言われても『イエス』しか言えなくて。でも、今は2人で話し合いながら練習できています」

「教える」よりも「一緒に成長する」。

 昨季は、ジュニアGPファイナルで銅メダル。このオフは様々なトレーニングをこなした。ランビエルは言う。

「今や1人のコーチでは補いきれず、ブライアン・オーサーやエテリ・トゥトベリーゼのように大きなチームを結成しなければ戦えません。この夏は、世界中からジャンプコーチ、トレーナー、ダンサーなどを呼び、色々な方向性を学びました。それは私にとっても経験でした」

 コアトレーニングのトレーナー、コーディネーション(運動神経)のトレーナー、ダンサーによるストレッチクラス、ジャンプコーチによる4回転ルッツの指導などあらゆるアプローチを試みた。

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photograph by Nobuaki Tanaka

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