村田諒太は自他ともに認めるボクシングマニアである。中学2年から現在まで、WOWOWの長寿番組『エキサイトマッチ』は毎週欠かさずチェックしており、取り寄せた映像などを含めれば少なくとも2000試合以上は見ている計算になる。
特に中学から高校にかけてが「一番、見まくっていた」時期だとか。高校1年のとき、オスカー・デラホーヤの前座で登場した世界的にはまだ無名のマニー・パッキャオに心を打たれた。強打のレーロホノロ・レドワバを倒して2階級制覇達成。2つ上のボクシング部の先輩に「すげえいい左ストレートを打つんですよ」と興奮気味に伝えたことを今も鮮明に覚えているという。
そんなWBA世界ミドル級チャンピオンが挙げた私的「衝撃KOベスト10」。単純に“凄かった”だけでは選ばないのがツウ。“名勝負”“試合の意味合い”という括りもつけたうえで、マニア中のマニアがセレクトした珠玉のファイトとは――。
第1位 2000.12.2
アメリカ・ネバダ州 マンダレイ・ベイ
WBA・IBF世界スーパーウェルター級王座統一戦
WBAチャンピオン フェリックス・トリニダード○(TKO 12回)×IBFチャンピオン フェルナンド・バルガス
(全勝対決。トリニダードは初回に2度ダウンを奪うが、4回には逆に奪い返される。一進一退で進んでいくなか、最終12回に3度ダウンを奪ってTKO勝利を収める)
中3のときに『エキサイトマッチ』で見ました。この試合だけでいくらでも語れますよ(笑)。初回トリニダードはジャブを避けたタイミングで左フックを効かせて、最初のダウンを奪います。前に出ているバルガスのガードはジャブとプレッシャーには強いが、横からのパンチに弱い。だからフックが当たりやすいんです。
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