#980
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<19歳の大器> 村上宗隆「真の4番となる日まで」

2019/06/17
今季最も注目を集める若手スラッガーは高卒2年目。まだ粗削りながらもその豪快なバッティングは、“真の4番”へと成長する可能性を秘めている。(Number980号掲載)

 その瞬間、東京ドームにどよめきが起こった。5月12日、試合前のスタメン発表。場内に「4番ファースト、村上」のコールが響き渡ったからだ。10代の選手が4番で先発するのは、当時西武に在籍していた'87年の清原和博以来のことだという。平成時代には一度もなかった「10代の4番」が、令和改元早々に実現したのだ。後日、小川淳司監督に起用の意図を尋ねると、指揮官の頬が緩んだ。

「単に故障者が相次いだので他に選手がいなかっただけです。村上には十分にその実力はあると考えた上での起用でした」

 確かにこの日の巨人戦は青木宣親、山田哲人、バレンティンと主軸3人がコンディション不良で欠場するという緊急事態。その中での窮余の策だった。しかし、それから約2週間後の5月29日の広島戦では青木も、山田も、そしてバレンティンもベンチ入りしているにもかかわらず、村上が4番を務め、初回にはライトスタンドに突き刺さる豪快な第14号スリーランを放っている。

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photograph by Tokyo Yakult Swallows

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