日本サッカー界はいまだその真価を目撃していない。しかし「白い巨人」レアルが惚れ込んだという事実だけでも、計り知れないスケール感が漂う。若き大物の可能性は当地でどう見られているのか。(Number979号掲載)
“あの少年は何者なんだ”
'12年夏の北海道。選手視察を目的に、この地を訪れていたレアル・マドリーのスタッフたちは、驚きを隠せなかった。彼らの関心は、滋賀県から来た天才少年のボール捌きに注がれていた。
当時、クラブのU-11世代の監督を務めていたイニアッキ・ベニ氏が述懐する。
「誰も彼のボールを取れないし、取られない。突出した技術に加え、自分と相手の距離感を完璧に理解する“感性”も目を引いた。マドリードに連れて行っても、結果は同じさ。試しに3学年上のカテゴリーで練習させても、面白いようにDFを抜いていく。存在感は圧倒的だった」
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photograph by Kenzaburo Matsuoka