「野球の研究者でいたい」という言葉の裏には、うまくなりたいという自然な本能があった。
永遠の挑戦者は今日も、試行錯誤を繰り返す。
永遠の挑戦者は今日も、試行錯誤を繰り返す。
職業はプロ野球選手ではあるが、彼にとっての野球は生業ではなく、いとなみに近いものなのかもしれない。今もなお、イチローにとっての野球は、うまくなりたいという本能にのみ、司られている。
2019年3月2日、サプライズ。
ロイヤルズとのオープン戦に出場したイチローのフォームが、また変わった。去年の秋から取り組んできたヒザを折る形にこだわることなく、ピッチャーが始動してからのグッと沈み込む動作を早めたのだ。そのほうが自分自身、立ち遅れないと考えたからだった。とかく目に見える動きの変化は、それを“新フォーム”だと受け取りがちだが、彼のフォームにゴールがあるわけではない。イチローはその都度、必要に応じて営々とフォームを変えてきた。
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photograph by Naoya Sanuki