休まなかった人にも最期は訪れる。骨が折れても打席に立った。死の4日前、かすれた声での解説は、そんな生き方のフィナーレなのだった。
衣笠祥雄。享年71。広島カープで2215試合連続出場。鉄人の鎧にへばりつく繊細な感受性は隠したって隠せなかった。
堂々たる揉み上げを赤いヘルメットの下に見せつけても、仕立てのよいスーツで放送席に腰かけても、あるイメージが浮かんだ。
公立中学野球部の集合写真、すでに体格のよくなった友の前にしゃがむ「声変わり直前」の小柄な少年の像だ。永遠の童顔と書いてもよい。
本人が半生記に述べている。
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photograph by KYODO