'90年代、日本のキックボクシングシーンを沸かせた港太郎(本名・田代義治)が、4月11日搬送先の病院で亡くなった。享年46。死因は多臓器不全。SNSで港は「立つことも困難」と書き込んでいて、心配になった筆者が「早く病院に行って」とお願いした矢先に訃報が飛び込んできた。
印象に残るキックボクサーだった。港が下北沢にあった山木ジムに内弟子として寝泊まりしていた頃の話だ。「普段の食事は?」と訊くと、「いつも牛丼の特盛りを食べています」と教えてくれた。お洒落には無頓着で、必要最低限のものしか欲しない男だった。
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photograph by Susumu Nagao