深夜2時、3時頃に眼が覚めてトイレに行った後、かならず手に取るのがスマホだ。時間を確認するだけでなく、ついメールチェックをしてしまう。
しかし、本書によるとこれは最悪の習慣の一つということになる。なぜなら、スマホから発せられる人工光やメールを読んだことによるストレスが、脳を覚醒させてしまうからだ。道理で、そのまま眠れずに朝を迎えることが増えた。適切な睡眠を得るためにも、寝室からテクノロジーを遠ざけ、メール中毒にならないことが肝心だと著者は強調する。
統計的に見ると世界的に睡眠時間が短くなる傾向があり、日本でも不眠に悩む人が増えている。スマホの普及がその一因になっているのは否めないだろう。それもあってか、このところ出版界では睡眠本がちょっとしたブームとなっているが、それらの中でも本書の最大の特徴は、睡眠を「フィジカルとメンタルの回復プロセス」ととらえていることだろう。著者はC・ロナウド、ベッカムといった世界トップレベルのサッカー選手やツール・ド・フランスの英国チームなど名だたるアスリートの睡眠管理に携わった経歴を持つ。したがって、本書に書かれている睡眠術は主に、スポーツのパフォーマンス向上を前提としている。
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