藤原英昭調教師は、同志社大学馬術部のスター選手からこの世界に飛び込んできた人だ。'01年に35歳で開業して以来、馬術に心得のある若者をスタッフに招き入れることに腐心し、そこに厩舎の土台を固める大構想を描き実践してきた。
レースに管理馬を送り出したときに、乗り手にとって操りやすい馬を普段の調教によって作り上げるというのがその信条だ。昔は騎手から調教師に転身するのが王道であり絶対的な多数派だったが、藤原の出現と成功に引っ張られるように、馬術系のトレーナーも目立ってきた。
どちらが優れているかは一概に決めつけられない。例えば美浦の堀宣行調教師も騎手からの転身ではないが、スタッフには元騎手をズラリと揃えることで成功を収めている。いわゆる「競馬系」と「馬術系」が切磋琢磨することが、日本の調教技術の進歩に繋がっていることだけは間違いのない事実だ。
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