2017年のATPワールドツアーは、大きな穴が開いた一年となった。'16年世界ランキングのトップ5に君臨したジョコビッチ、マレー、ワウリンカ、ラオニッチ、そして錦織圭――主役がコート上に揃わない状況がこれほど長く続いたのは未だかつてないことだった。
特に後半戦は物足りなかった。たとえば全米オープンは第2シードのマレーがドロー決定後に棄権し、ボトムハーフがオープンの混戦状態に。ベスト4に進んだカレーニョ・ブスタ(スペイン)の4回戦までの全対戦相手は予選上がりで、選手はそれぞれにレベルの高いプレーをしていても、ランキングを見るとどうしても見劣りしてしまう。大会の盛り上がりも今一つだった。
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photograph by KYODO