本書の著者は『星の王子さま』でおなじみだろう。作家であり、パイロットであり、思索家であり、行動の人だった。著作のほとんどがパイロットを扱った作品だが、本書がベストだ。十時間ほどの一夜の出来事が百二十五ページに緊張感一杯で詰まっている。著者の思想と行動とが行間から読み手に強く訴えてくる。
第一次世界大戦終結後間もなく、郵便飛行事業が起こった。スピードが命の郵便事業は戦争で発達した航空機に目を付けたのだ。しかし、航空管制の施設も技術も持たない当時は、夜間飛行は大冒険だった。夜間飛行を止めれば、夜も運行する鉄道便や船便に負ける。新事業は危険に満ちた冒険の日々で前進するしかない。
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