2年後に向け、シミュレーションになる1日だった。
11月4日、横浜・日産スタジアムでラグビー日本代表はオーストラリア代表と対戦した。2年後の11月2日には同じ場所で、日本で初開催となるワールドカップ(W杯)の決勝が行われる。芝の状態、気候、選手や観客の動線などなど、確認したいことは山ほどあった。
W杯本番で想定している観客数は7万人弱。公式キャパは7万2327席だが、「席のクオリティを考え、販売枚数は抑える」(W杯組織委の嶋津昭事務総長)狙いで、ピッチに近い数列は販売されなかった。本来、最前列は選手のぶつかる音が聞こえる特等席なのだが、陸上トラックが広く、席が低く見通しが悪い構造ゆえの決断だ。W杯が開かれる全国12会場のうち、約半数の5箇所は陸上兼用。当初掲げたW杯の観客目標200万人が180万人に修正されたのも、これに対応するためだった。
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