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自分自身であり続ける。~お人好しと、嫌われないことは違う~

2017/05/13

 本誌前号 の特集「嫌われる勇気」を読みながら「嫌われない勇気」について考えていた。

 実は、古今東西の名監督、一流コーチの隊列には「嫌われない」人格がひしめいている。むしろ「嫌われる者」が栄冠をつかむ例のほうが稀である。

 誤解されがちなのは、以下のごとき見解が散見するからだ。

「誰にでも好かれる人物がね、この世界で勝てるかとなるとそうでもないというのがつらいとこですねえ」。昨夏に惜しくも死去、厳しくもふくよかな評論で鳴らした元強打者、豊田泰光の『108の遺言』(ベースボール・マガジン社)の一節だ。スクイズ失敗、おのれの采配を責めるプロ野球監督について述べている。大将が自身の決断を安易に反省したのでは、チームの士気は萎えてしまう。そんな文脈だ。

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photograph by Bungeishunju

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