#919

記事を
ブックマークする

できるオーナーに変貌した、ジョーダンのビジネス手腕。~一見「甘い考え」の方法論が、最後は上手くいく~

 今から15年半前、当時ワシントン・ウィザーズの新人GMだったマイケル・ジョーダンに、トレードをまとめるのに一番大事なことは何かと尋ねたことがある。ジョーダンは躊躇することなく、お互いの利益になる取引を提案することだと持論を語った。

「相手にとって悪い条件を出すのは、相手を侮辱することだ。騙したり利用しようとするやり方は、ビジネスとして結局うまくいかない」

 コート上では容赦なく相手を叩きのめすことで知られていただけに、意外な言葉だった。正直なところ、新人GMの甘い考えなのではとも思った。


 このことを思い出したのは、昨年末に合意が発表されたNBAの新労使協定交渉において、選手とオーナーの両方の立場を経験したジョーダンの存在が大きかったという話を聞いたからだった。NBAコミッショナーのアダム・シルバーも、交渉が順調に進んだ理由として、ジョーダンの貢献をあげて称賛していた。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by AFLO

0

0

0

前記事 次記事