決められた5つのレースの1着馬を完璧に当てることを求められるのが、「WIN5」という最高難度の馬券だ。馬券といっても印刷された勝馬投票券があるわけではなく、投票も払い戻しもインターネット経由の電子取引によって行なわれる。払戻金が高額になることも珍しくないので、的中者が大金を持って競馬場から帰宅するリスクを回避する意味があるとも聞いた。
しかし、実際はどうだろうか。馬券ならどんなに高額な払い戻しでも税務署にバレる可能性はほぼゼロだが、電子取引なら当局がその気になれば身元をたどられる。1億円当たったら一時所得としての課税はどうなるのか。いわゆる馬券裁判(外れ馬券が必要経費として認められるかどうかが争点となった)が何件か続いたあとでもあり、当たったときの心配をするファン心理が存在するのは否定できないところだ。JRAの幹部職員に非公式に伺った話だが、「高額配当を当てた人はどなたですか? という照会に応じることはありませんが、人物を絞って取引の履歴を求めて来られたら、それには対応しないわけにはいかないかもしれません」と、対象者なら背筋がゾクッとしそうな説明。概ね25%の税金を先に払っているのに、当たったらさらに課税される可能性を残している現行のシステムが問題なわけで、早期に宝くじと同様に払戻金は非課税としてほしい。これはファンもJRAも同じ願いだと思う。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています