「変わって勝ってうれしいんか!」――大相撲三月場所千秋楽。結びの一番での横綱・白鵬の相撲は厳しい批判にさらされた。
立ち合いで左に変化し、突進した日馬富士がそのまま土俵を割るというあっけない幕切れ。その瞬間、エディオンアリーナ大阪は歓声とも悲鳴ともつかない叫びとため息に包まれた。
そして表彰式で飛び交った痛烈なヤジと横綱の涙は周知の通りである。
優勝のかかった大一番で横綱が取るべき相撲だったのか、という論議がある。と、同時にこのときなぜ、白鵬が咄嗟に変わるという判断をしたのか。その心を考えると、敗北への恐怖がみえてくる気がする。
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photograph by KYODO