電鉄会社に勤める元野球少年の著者は、プロ野球専門球場としてわずか2年ほどで“生涯”を終えた洲崎球場に取りつかれた。本書はその「幻の球場」を中心に黎明期の職業野球をよみがえらせた力作だ。
夜半近く読了し、テレビをつけると、野球試合の白黒映像が流れた。低い外野スタンドの外に海が広がり、両軍選手のプレーがロングショットで撮られ、観客で埋まった内野スタンドが映り、試合終了で大相撲の番狂わせの後のように沢山の座布団がグラウンドに舞った。プロ野球初の日本一を決める1936年(昭和11年)12月11日、洲崎球場での巨人対タイガース戦。観客が撮っていた8ミリフィルムを著者が発見した驚きの映像を伝えるNHKのニュースだった。
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photograph by Sports Graphic Number