スタスタと歩いて入ってきたカリスマ指揮官の姿に、会見場を埋めた報道陣から、期せずして拍手が沸き起こった。杖も使わず、足を引きずる様子もない。椅子を引いて席に座ると、水のペットボトルを自分でグイと開けてがぶりとのみ込む。その姿は、いつものエディ・ジョーンズそのものだった。
10月15日に、頭痛などを訴えて都内の病院に向かい、軽度の脳梗塞と診断されて入院し、集中治療。11月2日のオールブラックス戦と、続く欧州遠征では指揮を離れた。「軽度」と発表されても、病名が病名だ。スポーツ界では、生死の境を彷徨った長嶋茂雄、イビチャ・オシムの例が頭を過ぎる。ファンもメディアも、落ち着かない日々を過ごした。
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photograph by Nobuhiko Otomo