古豪・阪神が踏ん張ってくれないと、プロ野球が盛り上がらない。
縦縞のユニフォーム一筋、誰よりも内部事情を知リ尽くしていた和田豊監督が就任した今季、新生“阪神”の誕生に期待が集まっていた。
だが開幕後は打てず(打率リーグ5位)、守れず(防御率リーグ4位)、走れず(盗塁リーグ6位)のありさま(いずれも8月19日現在)。新旧交代の時期に、若手がチャンスを生かせず、かといってベテランの奮起もなく、クライマックスシリーズへの自力出場の消滅と点灯を繰り返している。
阪神には昔から、親会社の中にいくつかの派閥があり、その権力争いのなかで監督人事が決められていた。こういった状況に不満を抱いた元オーナー久万俊二郎は、野村克也、星野仙一という外様監督を三顧の礼を尽くして迎え入れ、体質改善に取り組んだ。この時、大型補強や大胆なリストラが実現できたのも、人間関係のしがらみがなかったからだろう。
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photograph by KYODO