偶然とは思えないほど、象徴的な同日達成だった。9月13日。西海岸シアトルでヤンキースのマリアノ・リベラが、史上2人目となる通算600セーブを挙げた。その数時間前、東海岸ボストンではレッドソックスのティム・ウェイクフィールドが、通算200勝目に到達した。41歳のリベラと、45歳のウェイクフィールド。出身国や生い立ち、投手としての役割は異なるものの、ともに絶対的な「伝家の宝刀」を武器に、長年にわたって第一線で投げ続けてきた。
今でこそ球界最高の名クローザーとなったリベラも、1995年のデビュー当時は先発だった。だが、結果を残せず、救援へ転向した。転機が訪れたのは'97年6月。ブルペンで投球練習をしていた際、何気なく投げた速球がスライダー回転で急激に変化した。後にリベラ自身が「神から与えられたもの。自然に起こった」と振り返るように、高速カットボールは偶然に誕生した。
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photograph by Yukihito Taguchi