ベースボールを「野球」と訳したのは、明治時代中期に黄金時代を誇った第一高等中学校、のちの一高の二塁手・中馬(ちゅうまん)庚(かなえ)である。中馬の出身地、鹿児島市が作成したパンフレットには「野球」という訳を考えた瞬間の中馬が生き生きと紹介されている。
「よい訳を見つけたぞ! Ball in the field 野球はどうだ」
「Ball in the field」は、直訳すれば「原っぱでボール遊び」とでもいうのだろうか、まさに言い得て妙の訳語だ。
学生野球の育ての親である中馬は、大阪府豊中市で逝去した。彼の墓が同市内の円満寺にあることから、甲子園期間中、近くのホテルを宿舎にする北海道の高校が中馬の墓参りをする習慣がある。今年も北北海道代表の白樺学園が訪れている。
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photograph by NIKKAN SPORTS