いまだに物議を醸すジャパンカップの降着“事件”。ブエナビスタの斜行が競走妨害にあたると判定されたことについては納得という見解に大勢がようやく傾いたが、審議に時間がかかり過ぎたことに対する批判は、今後も事が起きるたびに蒸し返されることになりそうだ。揺るぎない裁決基準があれば、事情聴取に多くの時間を割く必要はない、と思う。
その記憶がさめないうちに起きたのが朝日杯FSの審議。パトロールビデオを確認するとはっきりわかるのが、1着入線のグランプリボスが4コーナーで併走状態だったアドマイヤサガスを外に押し飛ばしている事実。被害馬が着順を下げた意味から言えば、この妨害のほうが罪深いように思うのだが、裁定はセーフだった。10分余りの審議時間でも十分に長く感じたが、この判定に対しては納得の声のほうが少数意見。着順を変えないにしても、騎手は騎乗停止が妥当だったのではないか。短時間でベストの選択をするのは難しいに違いないが、裁決もプロならばそれを遂行しなければならない。
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photograph by Kiichi Yamamoto