NBAファイナルが始まると、コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)はポーカーフェイスの仮面をかぶった。笑顔を見せず、感情を仮面の下に押し込め、記者会見では短い言葉でぶっきらぼうに答える。
嘘もついた。指や膝、足首の故障について聞かれると「大丈夫だ」と言い、対戦相手のボストン・セルティックスへのライバル心を聞かれると「相手がどこでも関係ない」と言い切った。
呪文は、優勝を決める試合のブザーが鳴るとともに解けた。
「君たちには嘘をついていたんだ」
試合後、ブライアントは告白した。表情は柔らかく、言葉は饒舌に戻っていた。
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photograph by Yukihito Taguchi