長過ぎる低迷時代に喘いでいる関東馬が、ここへ来て関西馬の厚い壁を打ち破る活躍を見せるようになってきている。桜花賞を完勝したアパパネ(美浦・国枝栄厩舎、父キングカメハメハ)もその中の代表的な1頭。2歳女王の座を射止めた「阪神ジュベナイルフィリーズ」(GI)のときもそうだったが、栗東トレセンに数週間滞在して、坂路や逍遥馬道を経験させる「栗東留学」を見事に成績に結びつけた、と見ることもできる。
いまでこそ、小島茂、加藤征、萩原、大竹といった若手トレーナーたちがなんの抵抗も感じることなく栗東を訪れるようになったが、その草分けとも言える存在が国枝調教師だ。なにしろ、アパパネの母、ソルティビッド(現10歳)が現役だった'02年、栗東の坂路にやってきて初めて坂路を駆け上がったとき、鞍上にいたのが国枝師その人だったのだから、その筋金の太さを感じずにいられない。
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photograph by Yuji Takahashi