それは、まるで彼のNBAキャリアを暗示するかのような不運な出来事だった。プロ1シーズン目を終えたばかりのジャマール・クロフォード(当時シカゴ・ブルズ)は、'01年夏、トレーニング合間のピックアップゲーム中に左膝前十字靭帯を断裂してしまった。激しい接触プレーだったわけではなく、ドリブルしながら走っているときに突然起きた不運な故障だった。
7カ月のリハビリを経て故障から復帰したものの、別な面で不運は続いた。マイケル・ジョーダン引退後の低迷期の若いブルズで4シーズン苦しんだ後、混乱期のニューヨーク・ニックスにトレードされ、昨季半ばにゴールデンステイト・ウォリアーズにトレードとなった。ブルズはクロフォードが出た翌シーズンに、ニックスは彼が入る前シーズンに、そしてウォリアーズは1年半前にプレーオフ進出を果たしていた。まるでその合間を縫うかのようにプレーオフを逃し続けたのだ。今季プロ10シーズン目を迎え、2月23日現在、計651試合に出場しているクロフォードは、プレーオフ経験がない現役選手の中で最もベテランという不名誉な記録の保持者である。「記録のことはそれほど気にならなかったけれど、実際にプレーオフに出たことがないのは悔しかった」とクロフォードは言う。
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photograph by NBAE/Getty Images