今年の日本柔道界を振り返ってみて、いちばん大きな変化を遂げたのは、この人だったかもしれない。
12月11日から13日まで行なわれた「グランドスラム東京」を制した48kg級の福見友子である。この大会は、オリンピック、世界選手権、マスターズに次ぐ世界4大大会のひとつとして、昨年まで行なわれていた嘉納杯を改称して実施されたもの。今年を締めくくる大会を、福見はポイントを一つも失うことなく制した。昨年に続く優勝だが、今回の姿には、風格さえ感じられた。
世界4大大会のうち2大会を制覇。もう「実績不足」とは言わせない。
福見は今年8月の世界選手権で、初出場にして優勝を遂げた。これまでは代表選考会で優勝しても「実績不足」を理由に、大きな国際大会の代表に選ばれなかったが、国内外の選考対象大会で優勝して日本代表に選出。「絶対に金メダル」と背水の陣で臨み、ようやくつかんだチャンスを見事、いかしたのだ。
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photograph by Shino Seki