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甲子園の風BACK NUMBER
大阪「無名の公立校」右腕が“22年ぶり”ドラフト指名のウラ話…「プロ? 誰がですか?」から“球速23キロアップ”の衝撃「最初は全く頭になかった」
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沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2026/11/03 11:01
10月のドラフト会議で日本ハムから5位指名を受けた香里丘の岡本翔斗。大阪の公立校からは実に22年ぶりとなる投手指名
本人はもともと野菜を好んで食べないようで『選んで(ブロッコリーを)摂りなさい』と言っても、たぶんブロッコリーは食べない。自分用に小分けされていたら嫌々でも食べるんでしょうけれど、大皿にあっても自分のお皿にはよそらないでしょうね」
卵を食するにしても、ゆで卵がいいのか、半熟の方が食べやすいのか。本人の反応を見ながら工夫した。何より本人が「プロ野球選手になりたい」と意思表示した以上は、出来る限りのサポートを指揮官はやってきた。
「こちらが無理やり、ということは避けたかったので。まずは意識改革をしながら食べることに関して二人三脚でやってきました。自分がプロになりたいと明言してから、岡本は高い熱量を持って取り組んできましたので、幸い取り組みが滞ることはなく右肩上がりの成長曲線を描いていけるようになったんです」
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その結果が夏の履正社戦のピッチングに繋がったのだった。
入学時は125キロだった球速は…148キロに
その後、近隣地区のローカル大会で144キロをマークしたが、野球ノートに指揮官が書き直した145キロにあと1キロ及ばなかったことが、かえって岡本のやる気を掻き立てた。
「目標に1キロ足りなかったことが彼の潤滑エネルギーになったというか、さらに本気にさせたというのはあります。それから練習ではウエイトをやるか、という風に身体作りの段階もひとつずつ上がっていきました」
年が明け、春になると岡本の評判はさらに上昇していった。府大会の初戦・関西創価戦では自己最速が148キロをマーク。4回戦の大商大堺戦では3-4で敗れるも、先発した岡本は17奪三振完投と爪痕を残した。
迎えた今夏の府大会・3回戦。春の府大会準優勝校の関大北陽を相手に3回まで4個の三振を奪う好投を見せたが、4回に2四死球が絡んで2点を失い、5回にもさらに1失点。12球団30人以上のNPBスカウトが見守る中で7安打3失点11奪三振と奮闘したが、1-3で敗れ、悲願の甲子園出場は叶わなかった。
3回に打球が背中に当たるアクシデントもあったが、患部を冷やしながら粘投を続けた。
「(打球が当たったのは)骨ではなかったですし、ピッチングには影響はなかったです。負けたことは悔しいですけど、自分がやれることをしっかりやり切って、力も出し切れました。でも、まだまだ実力は足りませんでした。でも、自分の野球人生はまだ続いていくので、自分の弱さを見つめ直して、もっと成長していきたいです」
試合に負けた直後で負けた悔しさがあふれているはずなのに、その時の岡本はもうその先を見据えたコメントを残していた。

