スポーツ・インテリジェンス原論BACK NUMBER

「“1秒”の中身が薄くなって…」あの名門校がナゼ《21年ぶり》箱根駅伝予選会に? それでも“貫禄のトップ通過”で見えた光明「ここからがスタート」 

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph byYuki Suenaga

posted2026/10/19 17:00

「“1秒”の中身が薄くなって…」あの名門校がナゼ《21年ぶり》箱根駅伝予選会に? それでも“貫禄のトップ通過”で見えた光明「ここからがスタート」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

気持ちを感じる走りで日本人トップとなる全体4位に食い込んだ東洋大の宮崎優(3年)。果たして伝統の鉄紺は本選でどんな結果を残すだろうか?

 昨年は中央学院大が10時間32分23秒でトップ通過し、10時間32分台に順天堂大、山梨学院大、日大が続いた。今回も同等のレベルと想定し、学生たちの実力を鑑みながら、強化メニューを作成する。それがこの半年間の作業で、予選会は最終発表の場、ターゲットタイムは10時間31分台と想定していたようだ。

留学生と真っ向勝負…鉄紺エースの激走

 近年の予選会では手堅く集団走で走る集団と、フリーで走る実力派の選手とに分かれる(本選の往路人材だ)。今回の東洋大は宮崎優(3年・東洋大牛久)を筆頭に3人がフリーで走った。宮崎への期待は大きく、酒井監督は留学生と真っ向勝負を挑むことを望んだ。

「スタート地点の立川駐屯地内は北風が強かったんです。先頭集団で走る留学生が嫌がるだろうなと思ったので、宮崎もそこに加わる流れになればと思っていました。そうすれば、東京農業大の前田君(和摩・4年・報徳学園)もついてくるでしょうから、日本人の学生も積極的になるだろうと考えていました」

ADVERTISEMENT

 宮崎は、前回の箱根駅伝5区で区間15位となって順位を上げられず、シード権を逃す一因となってしまった。しかし、予選会への準備が宮崎を逞しくした。留学生に対して積極的に勝負に挑んだのである。

 18km地点では留学生5人に次ぐ6位。ラスト1kmを切った地点で選手たちが来るのを待ち構えていたが、宮崎は4位に上がっていた。強い。鋭い視線、そして力強い推進力には心を揺さぶられるものがあった。

 結果は1時間1分5秒で総合4位、このタイムは予選会での日本人歴代1位のものだった。酒井監督は、

「宮崎は日本人1位を狙ったレースで結果を出したわけですから、本当に称えたいと思います」。

 チーム総合で見ると、酒井監督は「100番までに10人が入れば、必然的に予選会は通れるので」と話し、この数字をターゲットとしたが、学内9番手の生天目温(2年・学法石川)が90位、10番手の世利雄太(1年・福岡第一)が118位とほぼ目標を達成。

【次ページ】 監督が感じていた「スローガンとの乖離」

BACK 1 2 3 NEXT
#東洋大学
#酒井俊幸
#宮崎優
#松井海斗
#馬場大翔
#内堀勇

陸上の前後の記事

ページトップ