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「このままズルズル普通の選手になるのかな」“消えかけた天才”東農大・前田和摩が箱根予選会で見せた新しい姿「彼は日本最高のランナーですから!」
posted2026/10/18 17:02
箱根駅伝予選会、終盤まで日本人トップを争う走りを見せて出場権獲得に貢献した前田。ラストイヤーに箱根路で真の力を見せられるか
text by

杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph by
Keiji Ishikawa
箱根駅伝の予選会を5位で通過し、2年連続72回目の本戦出場を決めた東京農業大学。前評判が高くなかったチームをけん引したのは、一度消えかけた天才だった。4年目を迎えた10000m日本人学生最速ランナーの前田和摩は日本勢トップの座こそ譲ったが、留学生たちと競り合いながら日本人2位でフィニッシュ。思い出深い立川で、再び才能の片鱗を見せた。
留学生にも負けるつもりはない——。
前田が見据えるのは世界の舞台。入学したときから勝負に臨む気持ちは、ずっと変わっていない。10月17日、午前8時30分に号砲が陸上自衛隊立川駐屯地の滑走路に響くと、迷わずケニア人ランナーたちの背後についた。
スローペースでスタートし、6km過ぎからペースアップしても強気な姿勢は崩さない。留学生の第2集団でレースを進めていく。トレードマークの白いキャップからのぞく目は、意欲にあふれていた。後ろには東洋大の宮崎優(3年)も付いていたが、見ていたのは前を走り続ける外国勢の背中。16km付近でその宮崎に追い抜かれたときには、反応したくても脚の余力は残っていなかった。練習不足を感じたものの、すぐに気持ちを切り替える。
最低限の走りはできたのかな
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「残りの距離ですべての力を出し切ることにシフトチェンジし、1秒でも稼げるように前へ向かって走りました」
後方から迫ってくる足音に不安を覚えつつ、懸命に腕を振った。日本勢2番手のフィニッシュタイムは、個人総合7位の1時間01分57秒。決して悪くない結果だ。複雑な表情を浮かべ、自らに言い聞かせるように話した。
「最低限の走りはできたのかな、と。ぎりぎり61分台でしたし、大崩れはしなかったと思います」
ただ、納得しているわけではなかった。ふと本音も漏らす。

