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F1チームは囚われるのか救われるのか? コンストラクターの浮き沈みを左右するコストキャップ制度の是非
text by

尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2026/10/16 17:00
マクラーレンはコストキャップを生かし、近年復活を遂げた
しかし、そのウイリアムズを救ったのもコストキャップだった。制度が導入される直前のウイリアムズの経営状況は非常に苦しかった。ウイリアムズだけでなく、当時のF1界には破産寸前のチームがいくつか存在していた。コストキャップの導入当初、その目的はスポーツの公平性と競争力の均一化にあったが、実際に最も優先されたのはチーム財政の長期的な持続可能性だった。莫大な予算を持つ上位チームが大幅に譲歩して出来上がったコストキャップの導入後、F1から撤退するチームがひとつもないことを考えれば、コストキャップは決して「罠」ではなく、経済危機から弱小チームを守ったセーフティネットだったと言える。
躍進したマクラーレン
コストキャップ導入が間違っていなかったことは、制度導入後に成績を大きく伸ばしたチームの存在が証明している。それはマクラーレンだ。かつてトップチームだったマクラーレンは2017年にコンストラクターズ選手権9位に転落すると、厳しいシーズンがしばらく続いた。時には所有していた名車を売却したこともあった。その状況は2023年まで続き、彼らが再び常勝軍団となったのは2024年。同チームのザック・ブラウンCEOはこう振り返る。
「われわれのインフラは、F1において決して最大規模ではない。チームの規模もトップ3には及ばない。さらにはワークスエンジンを持たず、『それではチャンピオンシップで勝てない』とも言われてきた。それらの不利な要素を払いのけて、2024年からコンストラクターズ選手権で2連覇したんだ」
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今シーズンのマクラーレンは、カーナンバー「1」をまとったランド・ノリスがハンガリーGPとオランダGPで2勝を挙げ、いまなお上位チームの一角を形成している。
お金はF1で成功するための必要条件ではあるが、十分条件ではない。名門ウイリアムズがマクラーレンのように復活する日が来ることを祈りたい。

